あおき経営サポート事務所

日米関税交渉がもたらす日本の製造業への影響と今後の戦略的対応

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1. 日米関税交渉の現状

2025年9月、日本政府は米国との新たな通商交渉において、輸入関税の一部抑制を実現しました。

しかしながら、自動車や部品を中心とした対米輸出産業には依然として逆風が残っています。

米国市場は日本製造業にとって最大クラスの輸出先である一方、米国側はトランプ大統領の先導により国内産業保護を目的に自動車関税の維持・強化を検討しており、依然として不確実性は高い状況といえます。

2. 製造業の各分野へのインパクト

ここで、3つの業界に焦点をあてて米国関税措置によるインパクトを示します。

  • 自動車産業:トヨタ自動車や日産自動車といった完成車メーカーはコスト増に直面し、現地生産シフトが加速しています。部品サプライヤーは米国企業との価格競争が激化しており、階層構造となっている日本の自動車のサプライチェーンは、下位層にあたる小規模事業者の経営環境が一層厳しくなると想定されます。
  • 電機・精密機械:米国調達に依存する部材の価格上昇が収益を圧迫し、調達網の再編の必要性が高まっています。現在、パソコンや家電の多くは、国内生産から中国や台湾、東南アジア諸国に工場を移しています。関税措置や地政学リスクなどを総合的に勘案して、生産体制の見直しを迫られる中小企業も多いと考えられます。
  • 中小製造業:価格転嫁が難しく、為替変動リスクも直撃します。競争力維持のためには共同調達によるパートナーシップや高付加価値を創出する新分野への進出などが求められます。

3. 経営上の課題

  1. 価格競争力の低下:関税分が直接コスト増となり、海外企業との競争に不利になります。
  2. サプライチェーンの脆弱性:輸出依存度が高い企業ほど経営に与えるインパクトが大きくなります。
  3. 米国政策リスク:政権交代や選挙結果により条件が変動しやすい点が課題といえます。

4. 今後の取るべき成長戦略

ある大手自動車部品メーカーは、米国向け製品の一部をメキシコに生産移管しました。

これにより関税影響を回避するとともに、北米全体での物流効率化を実現しています。

中小企業がすぐに海外進出することは現実的ではありませんが、輸出関連企業との取引割合が高い企業や原材料の調達を米国に頼っている企業は、現状分析によるリスク評価を行うことで、危機への備えになります。

現状のインバウンド客を取り込んでいる小売店やレジャー施設にも、為替や他国の政治的リスクが内在しているといえます。

したがって、このような状況の中で、日本人に向けてメイドインジャパンの製品・サービスを提供する「地産地消モデル」は企業規模を問わず多くの業種に有効と考えられます。

5. 事例の方向性

このような取り組みを行ううえで重要な点は、キャッシュフローを確保しつつ、新たな分野に挑戦し続ける推進力です。

特に米国関税措置に対応するため、新たな事業に取り組む事業者に対しては、必要経費に対して一定の割合を補助する制度もあります。

静岡県では関税措置に対応するための施策について、「中小企業等収益力向上事業費補助金(米国関税対応枠)」を募集しており、必要経費の1/2以内、最大300万円の補助を受けることが可能です。

当補助金は"再募集”となっており、申請期限は10/27までなので、お早めにご申請ください。

「申請しようと思っていたけど、期限に間に合わない」と思われた方、当事務所にご相談いただければ特急扱いで対応できる場合がございます。

まずは取得設備や事業内容を簡単にお聞かせいただき、投資計画や申請書の方向をご相談させてください。

6. まとめ

日米関税交渉は短期的には不確実性を高める要因ですが、中長期的には企業の戦略転換を迫る試金石となります。

考え方ひとつで、危機は機会に変わりますので、お気軽にご相談ください。

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